前回に引き続き処分しようと思っている本の記録。
出版された順としてはこちらの方が先だったもので、扱っている年代も古代から中世となっている。前回扱った「歴史を変えた気候大変動」もそうだが、聞いた事も無いような言葉がたくさん出てくる。曰く「ハインリヒ・イベント」「ヤンガードライアス期」など気候の用語なのだろうか。氷河期から温暖になって真水が大量に海中に流れ込んだせいで大西洋の海流が止まるなどということが起きるとは、それが過去に実際に起きていたとは本当にはじめてこの本を読んだ時は驚いた。
ヨーロッパが温かいのは海流おかげということは知っていたが、それが止まってしまうことで実際に寒冷化がおきていた。現代において北極の氷がほどんどなくなったとか、南極の氷が溶けだしているとかで、後世「○○イベント」とか呼ばれる事態が起きるのか、あるいはもう始まっているのかと思うと背筋が寒くなる。
しかし、人類はたくましく生き延びて、世界中に広まった。定住生活に入った事態にしても気候変動が関係あるようだ。気温が変化することで植相が大きく変化し、それまで主食にしていたものが手に入らなくなる。この植相の変化のスピードがすごい、年間1~2キロのスピードで広まっていったという。日本みたいにほぼすべての山に人の手が入っているとわからないのかもしれないが、現在のように山林が放置されると、ダイナミックな植相の変化が現れるのかもしれない。それとも知らないだけで、もう始まっているのだろうか?
なんにせよ定住は両刃の剣のようで、都市が大きくなるほどつぶしが効かなくなるというのは古代からはじまっていたことのようだ。文明というのは食料生産をしない人の割合をいかに増やすかということなのだろうか。この本を読んでいると人類が発生した時間軸からでさえとんでもない変化がたくさんあったのだなぁということがわかる。そのころの人類はいろいろな対応法を見つけ出していたが、はたして人類自身が原因となっている気候変動には対応できるのだろうか。
この本を読んでいたおかげでジャレド・ダイアモンド氏の『銃・病原菌・鉄』のような本もとっつきやすかったのだと思う。
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