引越しやら就職やらでかなりご無沙汰になってしまった。ケインズの本はその間もちょっとずつ読んでいました。引越しで本を少し処分することにしました。ケインズの方は少し中断して、記録として処分する本を取り上げることにします。
歴史の出来事について、気候がすべての原因ではないと思うが、大きな原因ではあると思う。バイキングがグリーンランドに植民地を作ることが出来たのは、比較的暖かい中世温暖期であったからと言われると、なるほどと思う。バイキングの植民地跡の遺跡発掘でどのような手法をとっていたのか、なぜ寒さで壊滅したとわかるのかという論拠が面白かった。
1500年ころまでイギリスでブドウが栽培されていて、しかもかなり評判がよかったという話も面白い。現在の温暖化が進めばまたイギリスでブドウが栽培される日が来るのだろうか。それこそアホな政治家が温暖化で北海道のコメがうまくなったとかいう話をしていたが、ワインで有名な山梨ではワイン用のブドウがよくないらしい。温かくなりすぎてワイン用のブドウには適さない気候となっていると聞く。あの演説は山梨では通用しないのだ。
寒冷化した際にスイスでは氷河が進出してきて、カトリックの司祭が祈祷をしたという。祈祷をしたことで少し後退したらしい。この本で取り扱っているのは中世から近代までなので、記録がたくさん残っているのだろう。そういった記録を気候とからめて説明をしていた本は当時なかったのでとても新鮮だった。2001年に書かれた本が2009年に文庫化されてそれを読んでいる。まだそれほど気候変動に対して危機感もなかった時代だったが、巻末には予測不能なことが起きると書かれている。中世から近代までの気候変動でさえいろいろなことが起こっている。その時代に比べればはるかに急激な上昇をしている温暖化をどうにかしないと、というところで足並みをそろえなければ。戦争などしている場合ではないのだ。
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