2022/1/5 ケインズ『一般理論』を読む  宇沢 弘文 岩波現代文庫

2022年1月6日木曜日

ケインズ 宇沢 弘文 岩波現代文庫 経済学

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第二講の続き。『古典派』の第二公準についての批判を行なっている。このあたりは専門用語が多出でわかりにくい。『労働の限界非効用』ってなに?ググると労働時間が増えた時の労働者の不満足のことを指しているらしい。労働者の賃金は労働者の不満足と均衡がとれるところに落ち着くということらしい。市場の機能でそのように賃金がきまるので完全雇用という状態となるという想定のようだ。ただし、市場が純粋に機能していればのはなし。

『自発的失業』は自分から仕事を辞めることだというのはなんとなくわかる。『摩擦的失業』って? やはりググってみる。労働者のもつ知識・技能との不一致などの理由でで就業が思うようにできないような状態の事のようだ。

『非自発的失業』とはなに?解雇されること? 倒産とかも理由になるか。『古典派』の理論では『非自発的失業』という状態も存在しないことになっているという。よくもまぁそんな理論を使っていたよなと思う。

第二公準では労働時間についても不思議な想定がされている。労働者は一日何時間働くかを主体的に決めることができるとされているようだ。そんなことが可能な職場があるのか?みなばらばらであったら理論が成り立たないのではとも思うが、資本家が必要とするところまでしか雇わないから問題ないのだろう。

労働者は賃金が示されてそれに応じて働くかどうか、何時間働くかを決めるということになっているそうだが、それも現実的ではない。だいたい、したい仕事があって、でも賃金が安いとかいう順番だろう。賃金の額で仕事を選ぶという視点があることも確かだが、まず仕事の内容が自分に適しているかどうか判断するところからだろうと思う。労働者はなんでもいいからてっとりばやく稼ぎたいみたいな事ばかり考えていると思われている感じだ。

『セーの法則』とか出てきたぞ、なんだそれ。『貨幣の存在しないような、物々交換の経済を想定してはじめて妥当する』ってそんな法則に意味があるのだろうか?一言でいうと『供給が需要を生み出す』という内容らしいが、供給されたものがすべて使われるような社会は全体主義の社会かと思ってしまう。

さらに『二分法』なんて考え方もあるのね。『実物的側面』と『貨幣的側面』があって『それぞれ独立して決まってくる』とされていたらしい。これもちょっと聞いただけで胡散臭いはなしっぽい。ここで数式が出てくるがこれに関してはあまり興味が湧かなかった。

ケインズは第一公準は肯定し第二公準は退けるとしているが、はたしてケインズの言葉通りだろうかと宇沢氏の指摘がされている。経済学の用語ってなんかなじみ無いものばかりだ。

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