そろそろアシモフのロボットシリーズを読んでいこう。少し難しい本が続いたので休憩。とはいってもロボットシリーズだけでも4冊ある、手を出すとハマりそうだ。なんといっても『銀河帝国シリーズ』の前日譚だと思うと楽しみが倍増する。
物語は『USロボット社』の『スーザン・キャルビン博士』の回想という呈をとって短編がつながっていく。最初の話は博士がまだ学生だった頃、偶然遭遇したエピソードが語られている。回想している75歳の博士がいるのは2057年と思われ、博士の生まれは1982年だそうな。うわ、自分より年下じゃないですか。アシモフが考えていたよりロボットの進化は遅いという事ですね。
最初のエピソードに出てくるロボットの『ロビィ』は話す機能がついていない子守用のロボットという設定。話せないのに子守ができるのか?と思ったが、身振り手振りで意思疎通を行なっている。舞台は『ウェストン家』という家庭で、『グローリア』という女の子が『ロビィ』になついてしまい友達もできない。心配した母親が『ロビィ』を引き離そうとするが・・・というおはなし。
途中で『ロボット排斥運動』などの社会情勢が描かれる。やはり仕事を奪われるとか、エラーが出て暴走したらどうするといった不安が理由でロボットが忌避されるという事態が起きているらしい。このあたりは現実の世の中でもそろそろ話題になり始めている。自動車の運転が自動化されれば運転手は必要なくなるとか。AI化される仕事がどれだけあるとか、この仕事はのこるとか取りざたされている。特に運転の自動化については着々と実現が近づいているように思う。現実にそのような日が来たらどんなことが起こるのだろうか?自動運転でない車なんで危なくて乗れないという日が来るのだろうか。
博士は15,6歳の学生として偶然『グローリア』を見かけるがほんとうにちょっとしか出てこない。歳から考えると20世紀末のお話のようだ。宇宙開発が始まっているような描写もあるので、そのあたりもアシモフの予想とはだいぶズレている。まぁ、すべてのエピソードに博士が出てくるような構成は不可能だろう。
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