2021/11/29 エンダーのゲーム 新訳版 オーソン・スコット・カード ハヤカワ文庫

2021年11月30日火曜日

SF オーソン・スコット・カード ハヤカワSF

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エンダーのゲーム〔新訳版〕(下)

メイザー・ラッカムが現れたことで、学習は次の段階に進む。エンダーが習得するべきことは、複数の艦隊からなる全体を指揮することになった。これも、シュミレータ―で行われる。たぶんここまでこれたのはエンダーだけなんだろうなぁ。それぞれの艦隊のリーダーはエンダーがこれまで一緒に戦ってきたペトラやディンクやビーンといったメンバーだった。

エンダーはそれぞれのリーダーの特性を理解して、役割を割振り連携した作戦がとれるようになった。『三週間後、メイザーはエンダーに、彼らの最新の戦闘リプレイを、ただしこんどは敵の視点から見せた』メイザーはバガー艦隊と互角に戦えると評価している。そしていよいよメイザー自身がプログラミングしたゲームで勝ち続けるよう話す。

初戦はドクターデヴァイスを使って圧勝。しかし、次から敵も学習し密集隊形をとらなくなり難易度がどんどん上がって行った。しかし、それらを克服しリーダーたちとの信頼関係も強くなっていった。人類側の強みはそれぞれのリーダーが臨機応変に対応できることで、バガーは共通意識で運用されているので複数のことになかなか対応できない。

このころからエンダーは悪夢を見るようになる。戦闘の間隔はどんどん短くなり、一日に二回行われるようになった。エンダーは消耗していき、リーダーたちへのフォローに失敗する。リーダーたちも消耗していき、艦隊の損耗も増えるようになった。エンダーは眠れなくなり、食事も出来なくなっていく。戦闘をしては寝込みを繰り返し、いよいよ最終試験の日を迎える。シュミレータのある部屋には軍の高官らしき人物が大勢集まっていた。

最後のシュミレーションは千対一の兵力差があった、敵の後ろに惑星まである。エンダーは愕然とする『ぼくはあんなに苦労したのに、連中はぼくをパスさせるつもりがこれっぽっちもないんだ』そして、バトルスクールでの最後の試合を思い出す『バトルスクールでの最後の戦闘でエンダーが勝ったのは、敵を無視し、味方の損害を無視したおかげだった。』エンダーは少ない艦隊を突入させてランダムに動いたり隊形を作ったりして敵の中を進み惑星までたどり着く艦隊を惑星に突入させてドクターデヴァイスを使う。エンダーの艦隊ごと惑星が分解爆発し、敵の艦隊もほどんどが消滅した。

戦闘が終わると軍の高官たちが祝福する。エンダーは何が起きたのかわからない。実はメイザー・ラッカムがプログラムした戦闘ゲームは、すべて実際の戦闘だったのだ。ゲームの中で指揮していたのは実際の艦隊で、バガーの惑星と艦隊をドクターデヴァイスで完全に滅亡させた。エンダーは騙されたということに気付きショックを受ける。エンダーが指揮していた艦隊には実際に人が乗っていたのだ。こういうことは将来起きそうだよなぁ、今でも無人機の爆撃はゲームみたいだからなぁ。

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