2021/11/23 エンダーのゲーム 新訳版 オーソン・スコット・カード ハヤカワ文庫

2021年11月24日水曜日

SF オーソン・スコット・カード ハヤカワSF

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エンダーのゲーム〔新訳版〕(下)

下巻開始です。ついにエンダーが自分の隊を持つことになった。いままで廃止されていた「ドラゴン隊」が復活されてエンダーの隊となった、新設されたのと同じだ。メンバーのほとんどは初級コースから上がったばかりで、残りは他の隊から引き抜かれてきた。さらにトレード禁止という制約も付けられた。

エンダーは新人ばかりの隊を訓練し鍛え上げていく。通常のフォーメーションではなく臨機応変に動けるように工夫をしていく。この過程で教官たちが自分にしてきたことの意味も理解し始める。1ヶ月も訓練したところで初めての試合が組まれる。通常は3ヶ月かかるところらしいが、ここでも前倒しだ。

試合には勝ち続ける。試合の間隔はどんどん短くなりルールはどんどん不利になっていく。かつての友人たちは他の隊の指揮官になっており、常に新しい戦術を立てるよう迫られてくる。エンダーはかつての戦争の記録を見てバガーの戦略を考えようとするが、編集された記録ばかりで参考にならない。教官たちはここでも容赦なくエンダーを追い詰めてくる。

さらに勝ち続けることで他の兵士の反感を買うようになり、試合で疲れたところをシャワールームで襲われる。襲ってきたのは初めて配属された隊のリーダーだったボンソーを中心としたメンバーだった。教官たちは襲撃計画を知りながらあえて見過ごしている。エンダーは襲撃計画を友人から警告されるが、教官たちが知っているはずだから手出しできないとタカをくくっていた。教官たちは戦場では誰も助けてくれないということを身に沁みさせるためあえてそのままにしている。このボンソーという人物がプライドの塊みたいな人物で、エンダーと初めて会った時から不協和音を奏でていた。また、エンダーが隊を持ってから屈辱的な負け方をして憎悪を募らせていた。エンダーは言葉巧みに1対1の状況をつくりボンソーを倒す。

襲撃された直後に2部隊を相手に疲れ切った自分の隊で戦うことになる。エンダーは大半の兵をおとりに使い、別動隊に敵の拠点を落とさせる。エンダーはついにゲームの放棄を宣言する。このあたりの章でエンダーはまさに鬼のような仕打ちを受けている感じがする。バトルスクールの監督のグラッフ大佐と部下の間でもやりすぎだという議論がある。グラッフ大佐が星一徹のようだった、という感想はちょっと今の世には通じないか。

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