2021/8/5 「ギリシア人の物語Ⅱ 民主政の成熟と崩壊 塩野七生 新潮社」

2021年8月5日木曜日

ギリシャ 塩野七生 新潮社 歴史

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ギリシア人の物語II 民主政の成熟と崩壊

国際都市となったアテネはいろいろなものを輸入に頼っていたようだ。食料の小麦、ガレー船の木材、他の国からの輸入に頼っていると政変がおきた時などに困ることになる。できれば『デロス同盟』の内部で輸入できれば安全。ペリクレスは黒海の沿岸地域を開拓する、現在でもヨーロッパの穀倉地帯である。開拓と言っても通商路の開拓ということで、艦隊を率いて植民都市を作り、航路の都市と同盟を結ぶ。

これで盤石かと思われたペリクレスの晩年に戦争が起きる。ほとんどアドリア海に入るあたりのアテネから見れば遠い都市で内紛が起きる。内紛に負けた側がコルフ島を頼るが拒否され、さらにコリントを頼った。コリントがこれを受け、これを機にコルフ島も占領しようと画策した、原因の方とは関係ないところで戦争が始まる。一度目はコルフ島側が勝利、まさかコリントに勝てるとは思っていなかったらしい。コリントが雪辱を期して大艦隊を編成していると聞きコルフ島がアテネを頼る。それをコリント側が聞きつけやはりアテネに使者を送るがかなり無礼な使者だったらしい。結局コルフ島と同盟を結び救援することになる。

この戦いでアテネ軍はコリント軍と直接戦闘しないよう命令を受けていたらしい。コルフ島軍のサポートをして負け戦をしても損害が少ない様にしたりしてコリント側は攻めきれず、戦争自体はうやむやになったようだ。これは当時のアテネ軍の操船技術がずば抜けていたからだろう。結局コリントはギリシャ中の笑い物になってしまった。

またここでコリントの恨みを買ってしまった。それにしてもコリントという都市は記述が出てくるたびに嫌な感じになる。スパルタには頭があがらないのにアテネには対抗意識が強い。アテネが西方進出してぶつかっていなければそんなこともなかったのだろうか?

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