2021/8/11 「ギリシア人の物語Ⅱ 民主政の成熟と崩壊 塩野七生 新潮社」

2021年8月11日水曜日

ギリシャ 塩野七生 新潮社 歴史

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ギリシア人の物語II 民主政の成熟と崩壊

この本では『ペロポネソス同盟』と『デロス同盟』しか出てこないが、テーベには『ボイオティア同盟』という独自の同盟があったらしい。ペルシャ戦争の際にペルシャに投降し、その後ペルシャが負けるとギリシャ連合軍に攻略されたりといろいろあってすっかり『ボイオティア同盟』の力が小さくなっていたところに、アテネとスパルタの戦端が開かれテーベも動き出す。ボイオティア地方のプラタイアという都市がアテネの同盟国なのでこれを攻略せんとした。不意をついて攻撃をしたテーベ軍は初戦で勝利したが、軍の規模が小さかった為逆襲され300人近い兵が捕虜となる。プラタイアの同盟国アテネのペリクレスは捕虜の扱いを慎重にするよう指示を送ったが、既に処刑されたあとだった。テーベはスパルタに援軍を要請しついにスパルタが正規軍を派遣することになる。

ここでもテーベを焚きつけたのはコリントであったようだ。ペロポネソス同盟を動かすという約束をしてテーベが動きやすくなったらしい。また、ペルシャに対して参戦を要求したが断られている。これもペロポネソス同盟からという形になっているが、コリントが行なったのではないかと著者は考えている。

民意に押される形で開戦となったがペリクレスも、その友人のスパルタ王のアルキダモスも闘うつもりは全くなかったようだ、一応攻め込みはするが、敵の領地を荒して回るだけで、決定的な戦闘にはなっていない。このような形で戦争をして見せたという感じだろうか?しかし、翌年は疫病の流行がはじまる。腸チフスという病気だったらしい。

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