2021/7/4 「事件! 哲学とは何か スラヴォイ・ジジェク 河出書房新社」

2021年7月4日日曜日

ジジェク 河出書房新社 哲学

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『出発進行!-通過中の事件 』という章から始まる。事件とは何をさしているのかという話題からだ。事件とは『奇跡的なところがある』とまず定義。『原因を超えているように見える結果』と続く。『原因と結果を分離する落差』の空間が事件である。この定義が『哲学の核心に到達』という話になっていく。

『因果律は哲学が扱う基本問題』とし、アプローチの歴史として超越的な方法と、存在論・実体的な方法があるとする。 『「超越的」とは、現実の座標を規定している』枠組みを超越していることをさすらしい。存在論の方は自然科学の分野となっている。形而上学的な問いは実験科学で答えられるようになった。ホーキング博士が「哲学は死んだ」と著書に書いた話が載っている。

それぞれの方法の頂点が、超越論的方法では『ハイデガーの思想』、自然科学では『ビッグバン(あるいは対称性の破れ)』ということになるとする。これらのことから事件についての定義は『原因を超えているように見える結果』だけでは足りないという結論に至るらしい。『一貫していない複数性』に戻ってしまうという。『現実の見え方が変わることなのか、それとも、現実そのものが一変することなのか』というような例を挙げている。これはかなり難しい話なのだと思う。2つの事例が同じような結果となった時に判断することなど出来るのだろうか?

アプローチとして『事件の概念を検討しながら、すべてに共通する行き詰まりを明らかにしていく』という。『普遍性そのものの変容を辿る』ということになるらしい。ここでもヘーゲルが引用されている。以前ヘーゲルの解説を読んだが・・・またもやヘーゲルですか。

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