２０２１／７／３　「事件！　哲学とは何か　スラヴォイ・ジジェク　河出書房新社」

 日本についての部分の続き。江戸期の鎖国体制につての言及がある。『ユニークな集団的決断をした。』 これがうまくいったのは地理的な条件がそろっていたことも大きいと思う。同じころの中国も鎖国をしていたが、国が大きすぎてうまくいかなかった。もしかしたら、今の日本にも鎖国が必要なのかもしれないと思う。世の中つながりすぎていることが問題のひとつではあると思う。

『もし福島の災害によって、日本がみずからに対して疑問を抱くようになり、われわれの社会を織りなしている倫理的・政治的構造の根本的改革、１７世紀の集団的決断に匹敵するような改革が生れるとしたら、それこそは本物の〈事件〉となるだろう。』これが書かれた２０１５年に比べると格段に危機感が増して来ている。 ではどうするのかと言われるとはっきりした答えが無いが、このままではダメだというところまでは共通意識となっていると思う。