難しい本を選んでしまった。平易な文章だしなんとなくアプローチが面白そうと思ったのだが、けっこう映画に詳しくないと理解が深められないかも。
日本語版の序文からして映画の話が出てくる。『007は2度死ぬ』は舞台が日本ということもあり何度もテレビでも放送されているが、なにぶん古い映画であるし細かいところまでとても覚えていない。それでもひと通りの説明があるので、なるほどそのような場面もあったかも‥という感じで読んでいくしかない。この映画の話を例にイメージのすれ違いのようなことが書かれている。
黒澤明の『 羅生門』が西洋においては日本の精神性の発見として機能したが、日本国内では、あまりに西洋的だとして批判されたという事も知らなかった。ヘーゲルの夢見た歴史の終焉にもっとも近い社会とはどういうことだろうか?
第二次世界大戦の時に日本が降伏した際にブラジルで起きた事件についても知らなかった。『臣道連盟』なる組織にについても初耳であったし、気持ちの悪い事件だと思う。敗戦ということは知っていても認められない、偽の情報を載せた『ライフ』誌を発行してまでしがみついた幻想。『システムの論理そのものに刻み込まれている信念』と個人のを混同してはならない、という指摘は現在の日本にも当てはまると思う。
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