2021/7/26 「ギリシア人の物語Ⅱ 民主政の成熟と崩壊 塩野七生 新潮社」

2021年7月26日月曜日

ギリシャ 塩野七生 新潮社 歴史

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ギリシア人の物語II 民主政の成熟と崩壊

 ペリクレスはあまり軍事面が得意ではない。ライバルのキモンは軍事面の実績がストラテゴスに当選する原動力になっている。なんとか実績を作ろうとキモンがいない間に遠征に出たりするが失敗。そうこうしているうちにキモンが帰国する。

しかし、遠征に出るといっても民主政なのだから、多数の支持があってやっていることなのだろうけど、エジプト遠征とか本当に必要だったのかねぇ。ペリクレスが必要だって説得して民衆が納得しているのだろうけど、民主政とはいえ人気者が1人だけの政治というのはかなり危険なんだと思う。

著者いわくペリクレスとキモンは内々に話し合い、対立ではなく棲み分けをしたのではないかとしている。キモンがいない間に成立した法律についてはキモンが承諾し、スパルタに対しては講和策をとるということでペリクレスが折れる、というような内容ではなかったかとのこと。

キモンは軍事面を担当し、ペリクレスは内政面を担当するというような棲み分けもされたようで、キモンはキプロス攻略に向かう。しかし、キプロスで病に倒れ亡くなってしまう。キプロスでの戦いは優勢に進められていたが、キモンが亡くなったことで撤退ということになった。戦巧者を失ったのはアテネのその後に大いに影響がでてくる。また、ペリクレスもライバルがいなくなったことで方向転換をする。

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