2021/6/26 「ギリシア人の物語Ⅰ 民主政のはじまり 塩野七生 新潮社」

2021年6月26日土曜日

ギリシャ 塩野七生 新潮社 歴史

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ギリシア人の物語I 民主政のはじまり

ペルシャが攻めてきた。ペルシャ王は事前通告として『土地と水を差しだせ』といってきたらしい。ギリシャ対岸のトルコ半島の沿岸部のイオニア地方が陥落。トラキア地方とマケドニア王国も屈しギリシャの北までペルシャの手が伸びてきた。

この頃のアテネはアリステイデスとテミストクレスがいた。アリステイデスはクレイステネスの一門でずっとクレイステネスに協力してきた人物。テミストクレスは庶民から出てきた人物のようだ。

第一次ペルシャ戦争はペルシャの将軍が率いてくることになった。親征でなかったので精兵が来ない、騎兵も少なかった。

アテネにとって幸運だったのはミリティアデスという将軍が帰国してきたこと。帰国早々告発されたりといろいろあったがペルシャ軍と交戦経験がある人物ということで、政治的な駆け引きがあったらしい。こういうゴタゴタがあるのも民主政ならではということか。

ペルシャ軍は海路エーゲ海の島を攻略しながらギリシャへ上陸してくる。アテネの40キロ北のマラトンが戦場となる。アテネ軍もマラトンへ急行するが、ペルシャ軍は他の地方を侵略した別動隊が合流するのを待っている。アテネ軍もスパルタ軍が到着するのを待っている、すぐに戦端は開かれなかった。

この間にアテネ軍は指揮系統を1本化している。10人いる指揮官がミリティアデスに指揮権の譲渡することに同意した。本来ならば10人が交互に4日づつ対応するということになっていたらしい。なんとも非現実的な方法だが、民主政が徹底されているというべきか。

スパルタ軍はこないが、敵軍が合流するより先に戦端を開いた方がよいと判断したミリティアデスには作戦があった。なんと重装歩兵で包囲戦をしたらしい。そして、一番難しい中央の陣をアリステイデスとテミストクレスが受け持った。

結果アテネ軍の勝利。ペルシャ軍は負傷者まで置き去りにして去った。結局ペルシャ軍の別動隊はそのまま帰国した。アテネ軍はスパルタ軍の加勢無しでペルシャに勝利した。

 ペルシャ軍はこの敗戦で領有していた他の地域で反乱がおきる。無敵のペルシャが負けたということで力で抑えられていた地方が立ち上がった為だ。ペルシャが再度攻め込むのは10年後となる。

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