2015年発行された本をやっと手に取れた。 この本を書く理由として「ローマ人の物語」の中で取り扱った分量では足りないと思い始めたという点と、もう一つ民主主義とはなにかということを考えた時ギリシャ人のしてきたことを考えるのもよいという事らしい。
民主主義という政体を作り出すことが出来たのはギリシャ人だけであった。それはどうしてなのかということは2021年になっても古くはなっていない、むしろ今こそ必要と思う。
まずオリンピックの話からはじまる。4年に一度、開催期間を挟んだ一カ月間だけ休戦となるということの効用は、他の文明の都市国家が殺戮マシーンと化していった歴史を考えると『人間性に深く基づいた「知恵」であった』という作者のの言葉にはうなずけるものがある。
それから植民の話。ギリシャはそれほど豊かな土地ではなかった。狭い半島の中で戦争しているよりも外の世界へ出て行くほうが先が明るいという判断が当時あったのだろう。外の世界へ出て行った結果「マグナ・グレキア 」が出来るわけだから、気に入らない集団とケンカしているよりよほど良い。母都市と植民都市との関係が希薄であるのは、意見が合わないから出て行ったというような事情が多かったのかもしれない。
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