2021/6/29 「ギリシア人の物語Ⅰ 民主政のはじまり 塩野七生 新潮社」

2021年6月29日火曜日

ギリシャ 塩野七生 新潮社 歴史

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ギリシア人の物語I 民主政のはじまり

 いよいよサラミスの海戦となる。陸戦で臨めばペルシャ軍が圧勝だったと思うのだが、ペルシャ海軍がギリシャ海軍を包囲するような行動をとったので海戦となった。ペルシャ軍海軍は900隻前後、ギリシャ海軍は375隻だったらしい。

テミストクレスの作戦ではサラミス湾の出口にあるブシタニア島をペルシャ軍から取り返すことでペルシャ海軍がサラミス湾に入ってくるように仕向ける。島を包囲するように湾内に入ってくるペルシャ軍は2分される。ペルシャ海軍はフェニキア海軍とペルシャ支配下のギリシャ人海軍とで構成されていた。アテネ海軍はフェニキア海軍にあたり、そのほかの都市のギリシャ海軍はペルシャ支配下のギリシャ海軍にあたる。フェニキア船は大型で小回りが効かない、アテネ海軍に包囲され船腹に激突されて沈んでいった。ギリシャ人同士の戦闘の方はペルシャ支配下のギリシャ人の戦意は低く、フェニキア海軍が沈んでいくのを見て壊走してしまった。

ペルシャ側の被害は300~400隻が沈没、ギリシャ側の被害は40隻が戦闘不能となった。ペルシャ王はギリシャを後にすることになり、旗下の将軍に軍を任せて撤退した。ペルシャ軍もテッサリアまで後退し冬営することになった。

アテネからペルシャ軍は去ったが、廃墟になったアテネに戻ることはできない。アテネ市民の疎開はまだ続くことになる。

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