2021/5/5 「百代の過客 日記にみる日本人 ドナルド・キーン 講談社学術文庫」

2021年5月8日土曜日

ドナルド・キーン 講談社学術文庫

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キーン氏自身の体験が語られている。戦時中日本兵の日記の翻訳をしていたという。重要な戦略情報が書かれていることがある場合がある。そういうものを見つけ出すための仕事だったが、個人の思い出や英語で遺書を書き、日本にいる家族に届けてほしいという内容もあったという。

そもそも兵士が戦場で日記を付けることを禁止していることが多い。敵に拾得されると情報が洩れてしまうと考えるからだ。ところが日本軍は率先して奨励し、日記帳まで配っていたらしい。内容を検閲するという目的もあったかもしれないが、日記をつけるという習慣が日本人に広く浸透していたからではないかという。

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